油揚げを使うとき、「油抜きは必ずするもの」と思っていませんか? お湯を沸かして、油揚げを入れて、取り出して……。忙しい日は、このひと手間が少し面倒に感じますよね。
実は、油揚げの油抜きは料理によって必要性が変わります。しないといけないわけではありませんが、味の染み込みやすさ、香り、食感に違いが出るんです。今回は、油抜きをしないとどうなるのか、料理別の使い分けと正しい方法をわかりやすく紹介します。
油揚げの油抜きとは?まず知っておきたい基本
油揚げの表面には油の膜がある
油揚げは、豆腐を薄く切って油で揚げた食品です。そのため、表面には揚げ油が残り、薄い油膜のような状態になっています。
この油膜があると、煮汁や調味料が中へ入りにくくなることがあります。もちろん、油揚げ自体に味がないわけではありませんが、だしや醤油をしっかり含ませたい料理では、少し味がぼやけやすいんです。
油抜きで余分な油とにおいを落とす
油抜きとは、油揚げに熱湯をかけたり、短時間ゆでたりして、表面の余分な油を落とす下ごしらえです。油を完全にゼロにするというより、料理に影響しやすい油分を減らす作業と考えるとわかりやすいでしょう。
油の香りが強い油揚げや、保存期間が長くなったものは、油抜きをするとすっきり食べやすくなることもあります。少し気になるにおいがあるときの対策にもなりますよ。
必ずしなければいけないわけではない
ここは大事なところです。油揚げの油抜きは、すべての料理で必須というわけではありません。
焼く料理や炒め物、油揚げのコクを生かしたい料理なら、そのまま使っても問題ありません。反対に、煮汁をたっぷり含ませる料理では、油抜きの効果を感じやすくなります。料理の目的に合わせて決めるのが、いちばん合理的なんです。
油抜きをしないとどうなる?メリットと注意点
煮汁や調味料が染み込みにくくなる
油揚げを油抜きせずに煮物へ入れると、表面の油が煮汁をはじきやすくなります。油揚げの中まで味を含ませたいのに、外側だけ味がついているような仕上がりになることもあるんです。
特に、含め煮やきつねうどん、いなり寿司の具に使う場合は、油抜きをしたほうがだしや調味料がなじみやすくなります。じっくり煮る料理ほど、ひと手間の差が出やすいところです。
油のコクやうま味を生かせる
一方で、油抜きをしないことにも良さがあります。油揚げの油分は、料理にコクや香ばしさを加えてくれるからです。
炊き込みご飯や炒め物では、油揚げの風味が全体に広がり、味に厚みが出ることがあります。焼いて食べる場合も、表面の油が香ばしさにつながりますよね。油抜きしないことが、手抜きではなく調理法の選択になる場合もあります。
油っぽさやにおいが気になる場合も
油揚げをそのまま使うと、料理によっては油っぽさが目立つことがあります。あっさりしただし汁や薄味の煮物では、油の風味が前に出てしまうかもしれません。
また、油のにおいが気になる商品なら、仕上がり全体に独特の風味が残ることもあります。袋を開けたときににおいが強い、口に入れたときに重く感じる。そんなときは、油抜きをしてから使うとすっきりしやすいでしょう。
料理別に解説!油抜きが必要なケースと不要なケース
煮物・おでん・きつねうどんは油抜きがおすすめ
煮物やおでんのように、煮汁を油揚げへ含ませたい料理では、基本的に油抜きがおすすめです。表面の油が減ることで、だしや醤油の味が入りやすくなり、油揚げがじゅわっとした食感に仕上がります。
きつねうどんの油揚げも同じです。油抜きをしてから甘辛い煮汁で煮ると、味がなじみやすくなります。少し手間はかかりますが、仕上がりを大切にしたいときには試す価値がありますよ。
味噌汁や炊き込みご飯は好みで使い分ける
味噌汁は、油揚げを切ってそのまま入れても大丈夫です。油のコクが加わるため、具材の少ない味噌汁でも満足感が出やすいでしょう。
ただし、すっきりした味にしたいときや、油のにおいが気になるときは、軽く油抜きしてから使うのがおすすめです。炊き込みご飯も同様で、油揚げのうま味を活かしたいならそのまま、具材の味を際立たせたいなら油抜き。正解はひとつではありません。
焼き物・炒め物・和え物は基本的に不要
油揚げを焼いて生姜醤油で食べる、野菜と炒める、青菜と和える。このような料理では、油抜きをしなくてもおいしく仕上がります。
むしろ油揚げの香ばしさやコクを楽しみたいなら、そのまま使うほうが向いていることもあります。油が多く感じそうなときは、フライパンで油をひかずに焼いてみてください。表面の油が出て、カリッと仕上がります。
油揚げの正しい油抜き方法3選
しっかり抜くなら鍋でゆでる
油をしっかり落としたいときは、鍋でゆでる方法が向いています。鍋にたっぷりのお湯を沸かし、油揚げを入れて1〜3分ほどゆでましょう。
取り出したら、ざるに上げて粗熱を取ります。熱すぎない状態になったら、キッチンペーパーで挟んで水分と余分な油を押さえてください。煮物やいなり寿司など、味をしっかり含ませたい料理にぴったりです。
手軽に済ませるなら熱湯を回しかける
鍋を使うのが面倒なときは、熱湯をかけるだけでも十分です。油揚げをざるに置き、表と裏の両面に熱湯を回しかけます。
その後、キッチンペーパーで水分を拭き取れば完了です。ゆでる方法より油の抜け方は控えめですが、適度に油を落としながら、ふんわりした食感を残しやすいのが特徴です。味噌汁や煮物など、普段の料理にも取り入れやすい方法ですね。
時短なら電子レンジを使う
急いでいるときは、電子レンジでも油抜きができます。油揚げをキッチンペーパーで包み、全体を軽くぬらして耐熱皿に置きます。500Wで約1分を目安に加熱してください。
取り出したら、やけどに注意しながら新しいキッチンペーパーで押さえます。鍋でゆでる方法ほど油は抜けませんが、短時間で下ごしらえできるのが便利なところ。油のコクを少し残したい和え物やおひたしにも向いています。
油揚げの油抜きに関するよくある質問
Q1. 油抜きすると栄養やうま味はなくなりますか?
油抜きをすると、表面の油分や油に由来する風味は減ります。そのため、油揚げのコクを強く生かしたい料理では、少し物足りなく感じることがあるかもしれません。
ただ、だしや調味料が染み込みやすくなるというメリットもあります。栄養をすべて失うわけではないので、味や食感の好みで使い分ければ大丈夫です。
Q2. 油抜きした油揚げは冷凍できますか?
冷凍できます。油抜きをしたあと、しっかり水気を拭き取り、使いやすい大きさに切ってから保存袋へ入れましょう。
一枚ずつ分けて冷凍すると、必要な分だけ取り出せて便利です。汁物や煮物に使うなら、凍ったまま加えても構いません。水分が残っていると霜がつきやすいので、そこだけ注意してくださいね。
Q3. 油抜きしたあと水で洗う必要はありますか?
通常は、熱湯をかけるかゆでたあとに、水で洗う必要はありません。水にさらすと油と一緒に風味まで流れたり、水っぽくなったりすることがあります。
粗熱が取れたら、キッチンペーパーで水分を押さえれば十分です。熱湯を使った直後は油揚げもかなり熱くなっているため、無理に手で絞らず、ペーパーでそっと押さえましょう。
油揚げの油抜きは、毎回必ず行う作業ではありません。味をしっかり染み込ませたい煮物なら、鍋でゆでるか熱湯をかける。香ばしさやコクを楽しむ焼き物、炒め物なら、そのまま使う。
このように料理ごとに使い分ければ、手間を増やしすぎず、仕上がりも整えられます。まずは味噌汁や煮物で油抜きの有無を比べてみると、違いがわかりやすいですよ。
