いかを料理するとき、「皮はむくもの」と思っていませんか。実は、いかの皮は必ずしも取り除かなければならないわけではなく、皮をつけたまま食べられる料理も多いんです。
ただし、皮が残っていると食感や見た目が変わることもあります。刺身なのか、焼くのか、煮るのか。料理に合わせて判断すると、下処理がぐっと楽になりますよ。
いかの皮はむかなくても食べられる?まず知っておきたい基礎知識
皮そのものは食べられる
いかの表面にある皮は、基本的に食べられる部分です。薄い膜のように見える皮に、食べてはいけない成分が含まれているわけではありません。
そのため、皮をつけたまま焼いたり、煮たり、炒めたりしても大丈夫です。家庭料理では、輪切りにしたいかをそのまま加熱することも珍しくありません。
「皮をむかないと危険なのでは」と心配になるかもしれませんが、皮をむくかどうかと安全性は別の話なんです。大切なのは、内臓やくちばしなどを適切に取り除き、鮮度や加熱状態を確認することです。
皮・薄皮・胴の内側の膜は少し違う
いかの「皮」と呼ばれるものには、外側の色がついた皮と、胴の内側にある薄い膜があります。料理中に気になるのは、主に外側の皮と、身に残った薄皮です。
外側の皮は比較的しっかりしていて、加熱すると縮みやすい部分。内側の薄皮は身に密着しているため、むくときに身まで一緒にはがれそうになることがあります。
アオリイカやコウイカなど、身が厚い種類でも薄皮は食べられます。ただ、種類や鮮度、調理法によって口当たりは変わるもの。食べられるかどうかだけでなく、好みで決めてよいでしょう。
むくかどうかは料理との相性で決める
皮を残すと、いか本来の色や風味が生かしやすくなります。一方で、皮が縮んで身が反り返ったり、少し弾力が強く感じられたりすることもあります。
つまり、「必ずむく」「絶対にむかない」という正解はありません。皮の存在感を楽しみたい料理なら残し、なめらかさを優先したい料理なら取り除く。そんな考え方が自然です。
皮を残したいかの食感は?料理別に向き不向きを見てみよう
焼き物や炒め物なら皮つきでもおいしい
いか焼き、バター炒め、野菜炒めなどは、皮を残しても食べやすい料理です。加熱によって皮に香ばしさが出て、身との食感の違いも楽しめます。
特に輪切りにして使う場合は、皮をむく手間を省けるのがうれしいところ。下処理後に水分を拭き取り、食べやすい幅に切れば、そのままフライパンへ入れられます。
ただし、強火で長く加熱すると、身だけでなく皮も硬くなります。いかは火を通しすぎるほど締まりやすい食材なので、表面の色が変わったら様子を見るのがおすすめです。
刺身やいかそうめんは皮をむくと口当たりがよい
刺身や細切りのいかそうめんでは、皮を取り除くことが多いです。皮が残っていると、噛んだときに膜が口に残ったり、切れにくさを感じたりする場合があります。
見た目も、皮をむいたほうが白くつややかに仕上がります。薄くそぎ切りにする料理や、なめらかな食感を楽しみたい料理では、皮むきのメリットが大きいでしょう。
とはいえ、鮮度のよい小ぶりのいかなら、皮つきの刺身を好む人もいます。自分で判断するのが難しいときは、販売時の表示や購入先の案内に従ってください。
天ぷらや姿焼きは仕上がりを考えて判断
天ぷらでは、皮が縮んで衣がはがれたり、身が反ったりすることがあります。胴を開いて大きな面で揚げるなら、皮をむいたほうが形を整えやすいでしょう。
一方、げそや輪切りの天ぷらなら、皮を残しても気になりにくいことがあります。水分をしっかり拭き、油はねに注意すれば、皮つきでも香ばしく仕上がります。
姿焼きの場合は、皮が焼き色をまとって見た目の主役になります。皮がふくらみやすいので、加熱前に胴へ浅く切れ目を入れると、反りを抑えやすくなりますよ。
いかの皮をむかない場合の下処理と、むくときの手順
まずは内臓と軟骨を取り除く
胴と足を持ち、ゆっくり引っ張って内臓を抜きます。力任せに引くと内臓が破れやすいので、胴の中を押さえながら、少しずつ動かすのがコツです。
胴の内側に透明な軟骨が残っているので、指でつまんで引き抜きます。足側についている目やくちばしも取り除き、食べやすい大きさに切り分けましょう。
げその吸盤が気になる場合は、指でしごくようにして落とします。最後に流水で表面を手早く洗い、キッチンペーパーで水分を押さえれば、皮つきで使う準備は完了です。
皮を残すなら水分と加熱時間がポイント
皮をつけたまま調理する場合、表面の水分をよく拭くことが大切です。水分が多いと焼き色がつきにくく、炒め物では油がはねやすくなります。
フライパンや網を十分に温めてから、短時間で加熱するのもポイントです。いかの表面が白くなり、身に火が通ったら、余熱も考えて早めに取り出します。
煮物では、長く煮込むほどやわらかくなるとは限りません。加熱しすぎると身が締まり、皮もゴムのように感じられることがあります。短時間で仕上げるか、料理に合わせた煮込み方を選びたいところです。
むくときは乾いた胴をつまんで引く
皮をむく場合は、まず胴の表面をキッチンペーパーで乾かします。水分が残っていると指が滑り、皮だけでなく身まで傷めやすくなるんです。
胴の端に少し切り込みを入れ、皮をつまんでゆっくり引っ張ります。一気に引くより、端から少しずつめくるほうがきれいに進みます。
途中で皮が切れたら、残った部分をペーパーでつまんで続けます。薄皮が残っても無理に削らず、気になるところだけ包丁で軽く取り除けば十分です。
皮つきいかの安全性と、調理前に気をつけたいこと
安全性は皮より鮮度と下処理が重要
いかを安全に食べるうえで、皮をむいたかどうかが決定的なポイントになるわけではありません。購入後はできるだけ早く冷蔵し、においや色、表面の状態を確認しましょう。
生臭さが強い、身が不自然に溶けている、汁が多く出ているなどの場合は、無理に食べないほうが安心です。皮をむけば鮮度の問題が解決する、ということではないんですね。
また、内臓は傷みやすいため、家庭で扱うときは胴からきれいに取り除きます。加熱用として販売されているものを生で食べるのも避けてください。
生で食べるときは表示と鮮度を確認
刺身や生食で食べる場合は、必ず生食用の表示があるものを選びます。見た目が新鮮でも、加熱用のいかをそのまま食べてよいとは限りません。
いかには寄生虫のリスクもあるため、生食では購入先の表示や取り扱い方法を確認することが大切です。家庭で判断できない場合は、加熱料理に回すほうが安心でしょう。
加熱するなら、中心までしっかり火を通します。特に小さな子どもや高齢者、体調がすぐれない人が食べる場合は、生食を避ける配慮も必要です。
アレルギーや個人差にも注意
いかは食物アレルギーの原因になることがあります。過去に魚介類を食べて体調に変化があった場合や、初めて食べる人は、少量から様子を見るのがよいでしょう。
皮に限らず、いかを食べたあとにじんましん、口の違和感、腹痛などが出た場合は、食べるのをやめてください。症状が強いときは、早めに医療機関へ相談しましょう。
また、皮の食感が苦手な人もいます。安全性に問題がなくても、噛み切りにくさや膜っぽさが気になるなら、無理に残す必要はありません。
いかの皮についてよくある質問
Q1. いかの皮は必ずむく必要がありますか?
いいえ、必ずむく必要はありません。焼き物、炒め物、煮物、輪切りの料理では、皮をつけたまま食べられます。
ただし、刺身や天ぷらなど、なめらかな口当たりや整った形を重視する料理では、むいたほうが仕上がりはきれいです。料理の種類と好みで決めて大丈夫ですよ。
Q2. 皮つきのいかが硬くなるのはなぜですか?
いかは加熱によって身のたんぱく質が締まりやすく、長く火を通すと硬く感じられます。皮も縮むため、身がより締まったように感じることがあります。
短時間で加熱する、または料理に合った加熱方法を選ぶのがコツです。焼く場合は強めの火で手早く、煮る場合は煮すぎないようにすると、食感を保ちやすくなります。
Q3. 皮をむいたいかは洗ったほうがよいですか?
下処理後は、胴の内側や表面に残った汚れを流水で手早く洗います。ただし、洗いすぎると風味が落ちたり、水分が増えて調理しにくくなったりするため、短時間で十分です。
洗ったあとは、キッチンペーパーでしっかり水分を拭き取ります。特に炒め物や揚げ物では、このひと手間が油はねと仕上がりの差につながります。
いかの皮は、むかなくても食べられる部分です。皮つきなら香ばしさや風味を楽しみやすく、皮をむけば刺身や天ぷらがなめらかに仕上がります。
迷ったときは、輪切りの加熱料理なら残す、面をきれいに見せたい料理や刺身ならむく、と考えると簡単です。下処理では内臓や軟骨、くちばしを取り除き、水分を拭いて手早く加熱することを意識してみてください。
「皮をむくべきか」よりも、「どんな料理にするか」が大切なんです。次にいかを買ったときは、まず皮つきのまま使う料理から試してみるのもよいかもしれませんね。
